紹介する
視覚的な形式を通じて宇宙の神秘的な内なる本質を表現する
泰祥洲(1968年生まれ)は、寧夏銀川の学術一家に生まれた。この地はかつて西夏王朝(1038-1227)の都城であった。幼少期には、亡命書道家・胡公石に師事し、著名な指導者・馮懿勇のもとで中国伝統文化を深く学んだ。芸術の探求をさらに深めるため、清華大学で博士号を取得し、哲学者・包琳に師事。博士論文『天人混沌』では、中国山水画の歴史を掘り下げ、特にその古代宇宙論における起源や天地人三界との複雑な関係を探究した。
泰祥洲は、伝統的な中国山水画の理想的な姿の復興に長年取り組んできた。彼の作品は芸術理念に根ざし、壮大で古典的な山水画を志向しながらも、現代の知識と経験を融合させる。初期の作品は宋代(960-1279)の山水画の様式を忠実に再現し、この時代が中国絵画の黄金期とされることを反映している。2013年以降、博士論文の研究を基に芸術的視野をさらに広げ、宇宙論や占星術と自身の美学を融合させた。代表作《天象シリーズ》をはじめとする彼の作品は、ハーバード大学、プリンストン大学、イェール大学の大学美術館に収蔵されている。
2015年、シカゴ美術館は創立140周年を記念し、泰祥洲の《天象1, 2014》を購入した。これは同館が現存作家の作品を初めて収蔵した例となり、本作は『シカゴ美術館の絵画:コレクション・ハイライト』にも掲載された。また、彼の作品はイーロン・マスクをはじめとする著名なコレクターや、自由美術館、ミネアポリス美術館、ネルソン・アトキンス美術館、ブルックリン美術館、サンフランシスコ・アジア美術館、ナッシャー美術館、シアトル美術館、北京大学アーサー・M・サックラー美術館など、世界中の主要美術館にも収蔵されている。彼の芸術作品や学術論文は、国際的な学術界において広く研究・議論されている。