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芸術とは、時間、風景、生命の間で絶えず織りなされる行動の歴史である。
蘇憲法(1948年生まれ)は、その作品によって台湾現代油絵の「天井(最高基準)」を確立した人物である。台湾最高の学術芸術機関である台湾美術学院の院長として、長年にわたり芸術創作と教育に尽力し、学生たちに伝統と現代、東洋と西洋の間でバランスを見出すことを奨励し、独自の芸術的視点を養うよう導いてきた。彼の影響は台湾の新世代の芸術家たちのスタイルに深く刻まれている。また、台湾現代油絵界の重要人物として、台湾美術市場の「巨擘」とも称されている。
蘇憲法の作品は、伝統的な東洋の筆法と西洋の現代抽象表現主義を融合させている。近年の「四季」シリーズでは、季節の移り変わりをテーマに掲げ、創作への情熱を示すとともに、時間の流れとその美的本質を捉えている。彼は多彩でロマンティックな色調を駆使し、空間体験や旅の記憶を巧みに表現し、繊細かつ力強く、豊かで静謐、そして詩的な映像宇宙を構築している。
数十年にわたる創作の中で、蘇憲法の作品は「時間」「風景」「生命」という三つの主要な要素を織り交ぜながら展開されてきた。過去20年間、彼の関心は国境を越え、視覚的領域へ、さらには精神的領域へと移行してきた。このプロセスを経て構築された彼の映像宇宙は、繊細かつ壮大であり、豊かで静寂に満ち、物質的でありながら詩的であり、純粋でありながら絶えず変化する。
東洋哲学は、蘇憲法の創作方法に深く影響を与えており、とりわけ「状態」「雰囲気」「虚実」「調性」「書の線の要素」などの概念に対する理解が、長年にわたり彼の作品の核心を成してきた。ほぼ単色で構成されたシリーズ作品《金波》《冬雪》《冬梅》《墨梅》などでは、筆跡の動きや筆洗いの技法、線の運用、余白の美などが精巧に表現されている。
《夏蓮》シリーズは、こうした哲学的思考の最良の体現である。蘇憲法は東洋の伝統に深く根ざし、初期の写生から徐々に被写体の本質を捉える表現へと進化してきた。彼は蓮のイメージを巧みに用い、その「雰囲気」を再現するだけでなく、蓮の香りや静寂な空気が生み出す「純粋領域」をも喚起する。具象と抽象の微妙なバランスを通じて、彼は墨を媒介とし、精神と形態を融合させることで、自我や周囲の世界を超越した独自の宇宙を創造している。