しずか十年間を繋ぐ
本書は王陳靜文女士の逝去から10周年を迎えた芸術回顧展の記念画冊です。王陳靜文女士は、淡泊で静かな性格を持ち、作品には自然の天地から得たインスピレーションと深い人文的な配慮がよく表れています。本書には、彼女の芸術的キャリアの集大成として、アクリル画、油絵、書道、また生前に未発表の作品69点が収められています。また、散逸した手稿や習作も丁寧に収集され、王靜文女士の芸術の軌跡を完全に振り返ります。
本書には、「王陳靜文絵画創作賞」の歴代受賞作品21点も集められています。この賞は、絵画と版画の分野を対象とし、台芸大の学生が優れた創作を追求し、卓越した成果を上げた者に奨学金を授与することを目的として設立されました。また、この賞を通じて王陳靜文女士の教育者としての根源と芸術的背景も回顧されます。
シリーズ紹介:
何似在人間(初期作品)
学院での訓練から心の鍛錬へと進む中で、陳靜文は母国文化に根ざした東方的な象徴を西洋絵画に融合させ、東西文化の対話を試みました。心の中で意念が開かれ、視野が広がっていきました。
筆動山河
まるで心の窓を開けて天地を見渡すかのように、風が生じ、水が流れ、筆が動き、山河が動き出します。自然の動静は彼女のキャンバスの上で踊り狂います。空は無限に広がり、雲によって時間の流れを感じさせます。海もまた無限に広がりますが、波の起伏によって時間の速さを感じさせます。雨や風があり、山河には対話が生まれる。これが陳靜文の「動山河」です。
雲深傍海
あの海、あの雲、無限の空間で狂乱する筆触が、灰色や紫、墨緑の青色とともに、激しくも重厚な線を引き、流れたり漂ったりする色面が表現されます。時に絡み合い、時に無秩序に集まったり離れたりします。
隨順心境
「心静」の時、果たして本当に風は静かなのでしょうか?「思動」により、外の風雲が内へと流れ込み、異なる空間次元で行き交います。心の空間を探る旅はどこに向かうのでしょうか?「雲海を歩む」には一段階の階段が必要です。彼女はその階段を作り、道を開きました。層を成し、一層また一層と、「雲を貫く」ことで解放されます。
天地大美
天地の喧騒と静けさ、陰陽五行、そして人の感情がそれに従って起伏します。矛盾しつつも調和し、山河は動きますが、人は山河を動かすことはできません。自然でない環境の中で、自然のままに順応し、内面的な感情の葛藤と出口を正面から見つめます。そして、内面の喧騒を外の静けさに変え、東洋美学の詩的な暗喩のような穏やかさを表現します。
生命最終の和諧
さまざまな深さと青の色調が、精神的に非常に自由な表現を象徴します。これは、アーティストが人生の劇的な変化を経て10年後に迎えた詩的な言語であり、最終的な和諧への道のりを示しています。
墨香書韻
これは日常生活の一部です。書家としての硬い筆致の中で性格や意気を表現し、形があり、態度があり、力強さが感じられます。時には静かで簡素、時には神々しいような気品を感じさせます。まさに彼女の性格が堅固で安定していることを反映しています。