華人世界で初公開 「真偽アート鑑賞展」 専門家がコツを伝授
▲アーティスト、鑑定師、オークション担当者など多重の役割を持つイギリス・ロンドン都市大学アート鑑定学博士の葉國新(左)は、「真偽アート鑑賞展」で、来場者に書画の真偽について直接解説しています。写真/提供者提供
【報道者 : 黃志懋】
華人アート市場の活況な発展に伴い、アートの「偽造」や「詐欺」の手法もますます巧妙になり、蔓延しています。このため、著名な墨海樓国際アート研究機構と、華人初のアート鑑定学博士である葉国新が精心計画を立て、華人世界初の「真偽アート鑑賞展」を開催しました。本展は、今日から5月12日まで中正紀念堂中央通路で正式に開催され、アート偽造品の秘密を大々的に公開し、解明します。
主催者は、「真偽アート鑑賞展」では、専門家の説明を受けながら、どのようにアートの真偽を見極める証拠を収集・分析するかを一歩一歩学べるほか、多くの面白い実際の事例も展示され、来場者は巧妙な偽造手法を目の当たりにすることができます。億単位の作品がどのように「再創造」されるのか、その手法を学び、経験豊かなコレクターたちですら騙されてしまう様子が明らかになります。業界で言われる「二層を剥がす」技術では、一枚の絵が二枚に変わり、利益が二倍になることもあります。現代では、インクジェット技術を用いた低コスト・高効率・高品質な偽造技術も使われていますが、顕微鏡で見ると、インクジェットのインク点が隠れることなく現れます。
策展者の葉国新は、コレクションを愛好する人々が基本的な鑑定技術を身につけるべきだと述べ、今回の教育的な公益展覧会を通じてアート鑑定に関する知識を広め、誰もがアート鑑賞界の「シャーロック・ホームズ」になれるチャンスを得られることを目指しています。特に、アート作品はすでに資産運用の一環として重要な位置を占めており、需要が供給を上回っているため、長年にわたり収集してきた人々が、偽物を本物として家宝のように大切に保管していることもあります。そして、いざ売却しようとした時に初めて騙されていたことに気づき、全てを失ってしまうのです。
葉国新は、今回の展覧会で、アートのスタイル分析や補助的な証拠を使った様々な方法を教え、アート作品の真偽を判定する手法を広めることを強調しています。会場では、名家のアートスタイルの変遷過程や、よく使用される紙、印章などの実物資料が公開されており、非常に貴重なものです。例えば、近現代の巨匠である傅抱石が使った印章や、台湾近現代の名家江兆申が使用した特別な紙材なども展示されています。また、篆刻の名家王一羽が傅抱石のために彫った異体篆字「抱石」の印も展示されており、鑑賞に値する貴重な作品です。
さらに、会場には「真偽対照エリア」が設けられ、来場者は直接、どの絵が本物でどれが偽物かを挑戦して見分けることができます。自分の目を試して、真偽アートの鑑賞について一緒に考えてみましょう。
出典 : 工商時報