王陳靜文芸術回顧展および絵画創作賞連展

色彩と筆致を駆使し、独自の絵画芸術における動的で感情豊かな表現を追求した王陳靜文(1947-2007)の芸術キャリアは、東洋と西洋、伝統と現代の間を行き来しました。
病気により早逝した彼女の長男、王泉仁は2011年に「王陳靜文慈善基金会」を設立し、彼女が生前教えていた台湾芸術大学に「王陳靜文絵画創作賞」を設けました。今年は王陳靜文の逝去から10周年を記念して、「静繋十年 王陳靜文芸術回顧展及び絵画創作賞連展」を特別に企画し、国父記念館にて本日から6月19日まで開催されます。
「王永慶の長媳」という立場から一度は芸術創作から離れ、家業に従事していた王陳靜文は、台湾で個展を開いたのは一度だけでしたが、その芸術的な内容は高く評価されています。今回の展覧会のキュレーターである墨海楼国際芸術研究機構の創設者、葉国新は、この展覧会には2つの大きなテーマがあると述べています。王陳靜文の芸術回顧部分では、西洋画の作品のほか、書道作品も展示されます。また、「王陳靜文絵画創作賞」の1期から4期までの受賞作品21点が選ばれ、連展に参加しています。
王陳靜文の夫、王文洋氏と息子の王泉仁氏は昨日、展覧会の開幕式に出席しました。王文洋氏は「これらの作品は彼女の修養を表現しており、『求め得ず、捨て得る』と書いた彼女は、人生の大きな悟りを持っていました。晩年の彼女の作品は多くが『仏』の境地を表しており、私は、芸術とこれらの絵画や書道のおかげで、彼女の命は最終的に完結したと信じています」と語りました。王泉仁氏の長年の友人であり、王陳靜文を「王ママ」と呼んでいた葉国新氏は、「王ママは私が海外で勉強すると聞いて、『帰ったら、私の個展を開いてね』と言いました」と話し、約束を果たすのが彼女の逝去10周年にあたったことに喜びを感じつつ、「今回の展覧会を通じて、王陳靜文が台湾の芸術史で軽視されていた位置を、体系的かつ論理的に整理できたことを嬉しく思います」と語りました。
(自由時報【記者 楊明怡/台北報道】)