大道は伝わる ─ 傅抱石・傅益瑤芸術鑑蔵展 中正紀念堂にて盛大に開催
【記者 陳安婷/取材・報道】
「大道は伝わる─傅抱石・傅益瑤芸術鑑蔵展」が、本日より11月6日まで中正紀念堂第1展示ホールにて盛大に開催されます。本展では、傅抱石の娘である傅益瑤氏の多くの代表作に加え、傅家に伝わる傅抱石の貴重な真筆作品も多数展示され、まさに見逃せない芸術の祭典となっています。
今回の展覧会では、傅抱石が楚国の詩人・屈原の『九歌』第九章「山鬼」に着想を得て制作した代表作《屈原九歌山鬼図》、さらに第三章「湘君」に基づいた《湘君》の団扇作品が展示されます。特に《湘君》の団扇は、傅抱石が妻の誕生日に贈った最後の作品として知られ、その特別な意義を持っています。その他にも、傅抱石の山水画の名作が数多く展示されており、いずれも極めて貴重な逸品ばかりです。
▲傅抱石の代表作 – 《屈原九歌山鬼図》。(写真/中正紀念堂提供)
本展のキュレーターであり、鑑定専門家である葉国新氏は、「今回の展覧会では、日本国外へ一度も出たことのない国宝級の作品が初めて台湾に移され、展示される」と述べました。展示作品は、書画や陶磁器などの伝統芸術を幅広く網羅し、各時代における傅益瑤氏の代表作が集結しています。
本展では、日本の名高い寺院に収蔵されている傅益瑤氏の大規模な障壁画作品《三千院四季図》や《京都三十三間堂慈雲甘露観音図》をはじめ、2020年東京オリンピックの文化支援プロジェクトに選ばれた民俗祭礼シリーズの《諏訪大社御柱祭》や《那智火祭》も展示されます。
さらに、傅抱石の文人画風を受け継いだ「詩意画」シリーズ《愚渓游》や《春光媚韶景》、父の筆法を忠実に再現した「仿父筆」シリーズの《仿父筆-琵琶行》や《仿父筆-湘君涉江》など、多くの名作が一堂に会します。各界から高く評価されるこれらの作品を、一度に鑑賞できる貴重な機会となっています。
▲傅益瑤氏が日本の名高い寺院に収蔵された超大尺幅の障壁画作品 – 《三千院四季図》。(写真/中正紀念堂提供)
傅益瑤氏は1980年代に父・傅抱石の足跡をたどり、日本に留学。その後40年以上日本に定住し、現在は日本国籍を持つ華人アーティストとして活躍しています。彼女の作品は独自の芸術的語彙を持ち、多くの神社や名高い寺院に収蔵されており、一般にはほとんど流通していません。特に彼女は大規模な作品を得意とし、壮大で力強い構図と濃厚な情感を併せ持ちながらも、繊細かつ沈着な筆致を特徴とし、禅の精神を色濃く反映しています。雄渾さと細やかさ、奔放さと内省を見事に融合させた卓越した水墨画家です。
主催者によると、本展は傅抱石と傅益瑤父娘の芸術精神の血脈を継承し、台湾にいながらにして、日本まで足を運ばなくとも傅家秘蔵の未公開傅抱石真筆作品や、日本の名高い寺院に収蔵された傅益瑤の大作を鑑賞できる貴重な機会です。さらに、11月2日午後3時には、傅益瑤氏と鑑定専門家・葉国新博士による対談イベントが開催されます。鑑定のプロフェッショナルと名家の娘による熱い議論の場となり、非常に期待されるイベントです。
▲傅抱石 – 《山光雲影》。(写真/中正紀念堂提供)
出典 : 大メディアニュースネット